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「Agent Skills」は不要になるのか?論理的に解説

「おれのサイドエフェクトがそう言ってる」
 
- 迅悠一「ワールドトリガー」 -

 
 
 

倶楽部には、
しばしばメンバーからお問い合わせをいただく。
その内容は以下のようなものだ。

 

「Skillはもう不要なんですか?」
「大量に購入したSkillは全部無駄なんですか?」
「Skillsを削除すべきと聞いたんですが?」

 

なるほど気持ちはわかる。

 

確かに、
OpenAIが2026年9月3日に
最新モデル「Astra」を公開してから
SNSでは「Skillsは不要」という噂が
流れているから不安になるかもしれない。

 

「Skillsの時代は終わった」
「もうSkillsの勉強をする必要はない」
「購入したSkillsは全て無駄になった」

 

こんな発信をチラホラ見かける。

 

「Astra」は優秀なモデルだから、
「Skillsは不要」という説を
信じてしまうのも無理はないかもしれない。

 

でも、ついこの間まで
「AI会社」とか「AI社員」と騒いでた連中が
「Skillsは不要」と言ってる時点でおかしい。

 

彼らの言っている
「AI社員」とは「Skills」の一種だ。

 

SKILL.mdに
「社員として振る舞え」と記述したSkillが
AI社員の正体だ。

 

AI社員を肯定しつつ
Skillsを否定するのは、
微分積分の重要性を語りつつ
数学の勉強をする必要がないというようなもの。

 

意味がわからない。

 

こういう連中は
そもそも「Skillsが何なのか?」を
理解してないんじゃないだろうか?

 

GPTsのようなものと
勘違いしてるんじゃないか?

 

AIエージェントを
本当に使ってるのかも怪しい。
使ってるふりをしてるだけじゃないのか?

 

強い言葉で注目を集め、
情報弱者を洗脳しようとしてるだけじゃないだろうか?

 

自分のコミュニティで
「AI社員」や「AI会社」みたいなものを売りにしつつ
「Skill不要」なんて言ってるとしたら
その時点で「Skillが何か全くわかってない」ことが確定だ。

 

こういう連中の手口は
だいたい以下の3ステップに集約される。

 

1.「強い言葉」で不安を煽る(破壊)

2.自分の方法だけが唯一無二で正しいと信じさせる(注入)

3.その発信を何度も繰り返す(固定)

 

まさに、
詐欺師やカルト宗教が
使う手口そのままだ。

 

Skillsが何なのかわからずに
言っているなら勉強不足だし、
わかった上で言ってるならペテン師だ。

 

こういう発信をしている人は
ミュートしたり、メルマガ解除したりして、
そっと距離を取った方が良いだろう。

 
 

「Agent Skills」は終わりなのか?

 

「Astra」によって、
「Skillsが不要になる」という話の
元ネタ・一次情報を探してみるとここに行き着く。

 

・OpenAI「GPT-6 Astra Model Guidance」
https://ul-plus.com/l/m/d0LEWKI8NDzc2O
:Astra利用時のAGENTS.mdやSkillsの見直しについて解説。

 

・OpenAI「GPT-6 Astra Model」
https://ul-plus.com/l/m/ARuzULpFAAqKyb
:GPT-6 Astraの対応機能として
 「Skills:Supported」と明記。

 

・Victor Nunez氏のX投稿
https://ul-plus.com/l/m/S7s0E58hQKWqW5
:Astraの展開に合わせて、
 AGENTS.mdやSkillsの見直し・整理、
 reasoning levelの再検討を勧めている。

 

いかがだろう?
あなたも自分の目で確認してほしい。

 

これらの情報を入念に確認しても
どこにも「Skills不要」という内容は見当たらない。

 

OpenAIの公式
Model Guidanceから読み取れるのは、

 

「Astraは従来モデルより
 instruction following(指示追従能力)が強く、
 SkillsやAGENTS.mdなどに
 含まれる指示にも敏感になったため、
 モデルが参照するSkillsや
 各種ファイルを監査することを強く推奨する」

 

という内容だ。

 

要は、AIが賢くなって、
良いルールも悪いルールも律儀に守るから、
悪いルールは削除した方がいいよ!という意味だ。

 

OpenAIの
Victor Nunez氏のポストも

 

「Astraの展開を始める今は、
 AGENTS.mdやSkillsを見直して整理し、
 reasoning levelの使い方も
 再検討する良いタイミング」

 

という内容で、
別に「Skillsが不要」とは一言も言ってない。
たとえば、

 

・昔のモデル向けに追加した不要な念押し
・同じ内容を何度も書いた重複ルール
・現在の仕様と矛盾している指示
・使わなくなった古いSkill
・別のSkillやAGENTS.mdと競合している指示

 

こういうものを放置しておくと、
AIが余計な指示まで律儀に守ってしまうから、
AGENTS.mdやSKILL.mdを監査しろと促しているのだ。

 

インフルエンサーの発信する
情報を上っ面だけ流し読みしていると、
「Skills不要」なんて思い込んでしまう。

 

一次情報を確認して、
自分で「検証する」という癖がついていれば、
こんな情報は真っ先に疑うはずだ。

 

要は、自分の頭で考える癖があるかどうかだ。

 

「OpenAIの公式情報で
Skillsが不要になると書いてある」とか言ってる人は、
自分で「検証する能力」が致命的に欠如している。

 
 

AIの進化の「未来予想図」

 

初歩的な
ハーネスエンジニアリングの知識があれば、
そもそも「Skills不要」なんて考えにはならない。

 

こういう情報を鵜呑みにするのは
AIエージェントの基本がわかってないからだ。

 

Skillsは不要にならない。

 

今後、段階的に
ユーザーがSkillsを意識する必要性が
低下していくという表現の方が適切だ。

 

今後のAIの未来予想を
図にするとこんなイメージだ。

 

 

おそらく今後、
ユーザーが意識するAIの単位は、
このように変わっていく。

 

1.GPTs:
→ 「用途ごとに専用AIを作る」
 
2.Skills:
→ 「AIに仕事のやり方を部品として覚えさせる」
 
3.Plugins / Apps:
→ 「Skillsと外部ツール・データ・実行機能を組み合わせ、
  仕事の仕組みとしてまとめる」
 
4.Agents / Work:
→ 「目的を渡すと、
  必要なSkills・Apps・ツールをAI自身が選び、
  複数工程を最後まで進める」
 
5.その先:
→ 「ユーザーはSkillsやAppsの存在すら
  ほとんど意識せず、達成したい目的だけを伝える」

 

という流れが予想される。

 

簡単に言えば、
今後AIがドンドン賢くなるから、
Skillsを使っていることすら意識しないレベルで、
AIが自動的に使ってくれるということだ。

 

実際、OpenAIは2026年7月から、
「Plugin」にSkills・Apps・App Templatesを
まとめられるようにしている。

 

要は、Pluginは「上位コンテナ」だ。
つまり現在ですら、

 

Plugin
├ Skill
├ App
└ App Template

 

という構造になり始めている。

 

さらにChatGPT Workはすでに、
目的を受け取ってファイルやアプリを横断し、
複数工程を自律的に完遂するAgentになっている。

 

「GPTs」は
ChatGPT固有の製品機能だ。
ChatGPTでしか使えない。

 

一方、
現在の「Agent Skills」は、

 

「SKILL.md + scripts + references + assets」

 

というオープンな仕様になっている。

 

Agent Skills公式仕様も、
複数のAIエージェント間で
再利用することを前提にしている。

 

要は、Agent Skillsは、
CursorでもClaude CodeでもCodexでも
使えるようになっているということだ。
(多少のチューニングは必要だが)

 

しかもOpenAI自身が、OpenAI Skillsは
Agent Skillsのオープン標準に従っていると明記している。

 

だから、
僕の個人的な意見としては、
「SkillsはGPTsより寿命が長い」と考えている。

 

ただし、表面から消える可能性は高い。

 

ユーザーが意識しなくても
Skillsを使ってる状態になるだろう。

 

GPTsが主役だったのは約3年。

 

SkillsはGPTsより
幅広く使い回せる仕組みだから、
AIの進化速度が今のままなら、
その倍の6年くらいは続くと考えられる。

 

ただ、AIは指数関数的に進化する。

 

その加速まで考慮すると、
Skillsの時代はあと2年くらい続くと
僕は見ている。

 

これは当てずっぽうじゃなくて、
既知の経過期間と仮定を組み合わせた
簡易モデルで予測したものだ。

 

H(T) = [(1 - α)T + α(D / ln(2))(2^(T/D) - 1)] / (3S)

 

・H(T) = Skillが主役から退くまでの累積圧力(1を退場ラインとする)
・T = Skill時代の経過年数
・α = AI進化がSkillの陳腐化に作用する割合
・D = AI能力が2倍になるまでの期間
・S = Skillの再利用性・汎用性を考慮した耐久補正倍率
・3 = GPTsが主役だった約3年間

 

今回は、

 

α = 0.2
D = 0.583(約7ヶ月)
S = 2

 

と仮定する。
数値を代入すると、

 

H(T) = [(1 - 0.2)T + 0.2(0.583 / ln(2))(2^(T/0.583) - 1)] / (3 × 2)

 

H(T) = 1 となるTは、

 

T ≒ 2.67年

 

つまり、
Skillが主役でいられる期間は
約2.7年と推測できる。

 

2025年10月の
Agent Skills登場から、
すでに約0.9年経過しているから、

 

2.67 - 0.9 ≒ 1.8年

 

残りは「約2年」という予測だ。

 

もちろんあくまで試算だから、
AIの進化次第ではもっと早くなったり、
逆に遅くなる可能性はあるだろう。

 

さすがに僕のような凡人が
正確な時期を予測するのは無理だけど、

 

「Skillsは不要になるのではなく、
 ユーザーの見えないところで動く形に進む」

 

というのは
ある程度、的を射た予測だと思う。

 

これが「AIの未来予想図」だ。

 

つまり、
現時点では「OpenAIの公式情報で
Skillsが不要になるから勉強する必要がない」
というのは完全な嘘、デタラメだ。

 

そもそも
「Astra」の燃費の悪さを考えると
とても日常使いできる代物じゃない。

 

Tiboが
毎日リセット祭りでもしてくれない限り、
普通の人にはとても使えない。

 

本当にAIエージェントを使い、
自分で検証していれば普通にわかることだ。

 

ゆえに、どの角度から考えても
「もうSkillsの勉強をする必要がない」という意見は
論理的に破綻している。

 

こういうのを「机上の空論」と呼ぶのだ。

 

誰かから聞いた話を
そのまま鵜呑みにしてはいけない。
専門家だって間違うし嘘を吐く。

 

まず一次情報を確認する。

 

その上で、
自分の知識と照らし合わせて真偽を判断する。
これが必要だ。

 

SNSで見かけただけの情報や
専門家から聞いただけの話を
一次情報の確認すらせず、
さも真実かのように発信して
不安を煽る情報発信者はゴロゴロいる。

 

まさにこの手口だ。

 

1.「強い言葉」で不安を煽る(破壊)

2.自分の方法だけが唯一無二で正しいと信じさせる(注入)

3.その発信を何度も繰り返す(固定)

 

だからこそ「思考力」が必要なのだ。

 

もちろん、
僕の発信も鵜呑みにしてはいけない。

 

最低でも
今回紹介したリンク先を
自分自身で読んでみよう。

 

その上で、
「Skillsが本当に不要」なのか判断してほしい。

 

デマに踊らされないために必要なのは、
一次情報を自分の目で確認する姿勢なのだ。

 

             UNLIMITED CLUB 小林憲史

追記

 
「AI学習は犯罪なのか?」に関しての
関連記事まとめはこちら。
 
カルト宗教や陰謀論に
心酔する人たちの心理構造についても学べる。
 

1.AIに教材を学習させるのは「犯罪」なのか?文化庁の見解をもとに解説
https://www.unlimited-club.com/etc/ai-learning-legal.html

 

2.正しさよりもわかりやすさを選ぶ「タブロイド思考」
https://www.unlimited-club.com/etc/tabloid-thinking.html

 

3.批判されるほど「自分は正しい」と確信する人たち
https://www.unlimited-club.com/etc/galileo-gambit.html

 

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